gun grip bum

稀代のトリガー愛好家です。

大岩魚とのディスタンス。

 

約6、7年振りぐらいにまた個人的に鱒釣り熱が再燃してるんだけど、これがなかなか上手くいかないでいる。

 

こと大鱒になると確かにそう簡単に捕れる魚ではないのだが、例えば他のターゲットであった場合、自分が思う100%のフィールドコンディションだったとしたら、シーバスやバスなんかだとかなりイメージ通りの展開が望める確率が高い。

 

だから天候や水位、潮位等々、フィールドに行かずしてもネットでまず情報を得れた時点でかなり魚に近づくことができるし、無駄撃ちも防げる。

 

けれども鱒は、ことに大鱒はこちらの意に反して、コンディションの上がり下がりが刹那の様であって、唯一単純に水位の上昇下降のタイミングで山を張る事はできても、そこに魚に近づける保証はあるかと言えばそれはほぼゼロに近い。

 

故に、戦略は「足繁く通う事」の一点であって、戦術は「根気」のただだだ一点である。

 

けれど、その自分との思惑と常にすれ違うような、人間には到底凌駕できない自然とダイレクトに対峙しているような、「(全く)うまくいかないからこその魅力」がそこにはある。


他のターゲットはどうあれ、鱒に関しては一括りに「鱒釣り」っていうんじゃなく、とにかく大鱒という部分に拘ってみようかなと。

例えば、渓流にての、小山女魚や小岩魚釣りを繊細に純粋に愉しむ事ももちろん好きだし否定する事も断じてないけれど、大鱒に関しては他の魚種のいかなる大物でも持ち得ない浪漫がある。

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過去に鱒釣りにずっぽり浸かっていた時は全てのスタイルでの鱒釣りを愉しんでいたのだが、一旦そこから離れ、再び「鱒釣り」に回帰して、改めて「狙う」っていう事をリアルに楽しんでみよう。もちろん大きな魚をね。

 

鱒には色々種類があって、その中でも特に、「大鱒」って言えばイトウが真っ先にくるんだけど、なんていうか、言葉にすると難しくなるけど、例えばイトウとイワナじゃデフォルトでの「大鱒」っていう部分でのイメージがかなり違ってくる。同じ大鱒にしてもね。当たり前だけど笑

 

けど単純に大きさの「比較」じゃない。そこは切り離さないと。

もちろん「尺」とかでも無くてね。

 

ビックトラウトって言うとなんか安っぽくなっちゃうけど、そこには童話の世界観的な、まぁ…「大鱒」っていう言葉の裏にはそんなイメージがある。

シーバスとかバスとかにはそんな神秘的な雰囲気はやっぱない。


シューベルトの「鱒」じゃないけど、人と歩んできた歴史の長さがそう思わせるんだろうね。

 

シーバスやらバスやらは単純に魚以外の何者でもないけど、鱒には擬人化してしまうようなそんな存在感がある。

 

特に「岩魚」は色々謎が多い分、なんとも言えないヌシ感があるし。

 

海の深さよりも、淵の深さを考えた時の方がゾッとする時あるんだよね。

 

ほら、釣りキチ三平でも岩魚シリーズはどれも伝説的で、神話的な魚のキャラクターというか描写が多くあるよね。

 

岩魚はよく、「どっちかというと爬虫類っぽい」とか言われたりするし、どうかすると色々な謎っぽい部分を含めて魚離れを通り越して、やや神格化されたトコさえもある。

それに、どうもあの顔を見てると、もしかしての理性感情が宿ってるんじゃねえか?…と思ってしまうくらいの様々な喜怒哀楽なる表情を持つ。

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岩魚…と言えば基本、渓流での釣りの対象魚という位置付けが確立されてるけど、わたしが追う魚というのは岩魚とて「尺」じゃなくて、それこそ二尺魚だ。

 

問答無用で「大鱒」というカテゴリーに充分ふさわしいサイズ。

 

本流、ランドロック、大淵…等での現実的な最大級のサイズ。

 

かのギンザンでは、特に「夢の大きさ」では無いのかもしれないが、一般的なフィールドではなかなか狙っては捕れないサイズ。

基本的な成長限界というか平均成長長はあるにせよ、その生息地(遺伝子)によって様々な大きさになるっていう生態も他の動物にはない不思議さもある。

 

また、食性の部分で、岩魚は山女魚と比べて賢いか…と言われたらそうでは無いし、実際彼らは釣られ易い。

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と言うのも、岩魚は山女魚やアマゴなどとは違い、特に食性に関して全くセレクティブでは無く、かなりの貪欲さがある為にリアクションバイトの要素が極めて強く、カラーやルアーサイズ、アクション等関わらず口にする事が多いからだ。

但し…

 

目の前に現れた(彼ら的に)餌と認識したものには、何の躊躇もなく飛びついてくるが、そこで鈎にに掛からなかったならば、ほぼほぼセカンドバイトは無いと思っていい。
故に最初のアプローチは極めて重要で、ピンポイント且つ最初から鈎がかりをイメージしたプレゼンテーションと集中力が絶対的に必要。

 

と、まあ脳内では完璧なストーリーが完成してても、そんなに上手くいかないのが現実。

 

岩魚はほんと出会い頭的バイトが多いからね。 一瞬の隙でカウンターバイト喰らっちゃって、最大級のチャンスを逃したっていうのはザラにある。

 

さて、大岩魚を狙うにあたっては、1年の中でのビッグチャンスは3回。

春の雪代期、初夏の稚鮎の放流期、秋の産卵前の水温が下がったタイミング…の計3回。細かく言えば増水から水位が収束したタイミングも僅かながらチャンスはある。

 

今年は雪代の時期に2回大岩魚とコンタクト出来たチャンスがあったがキャッチには至らなかった。残念。

 

で、現在は鮎パターン期に突入してる真っ只中。

 

確かにワンドの岸際、瀬尻の脇なんかには稚鮎がチョロついている。

ある程度鮎が成長しちゃうと大鱒も鮎を餌と認識しなくなちゃうのでウカウカもしてられない。

 

いままではルアーもスプーン主体で、魚を動かす釣りを展開していたけど、この時期からはミノーをメインに動かない魚に当てていくようなイメージの釣りをしていこうかなと思ってます。

 

 

鮎解禁になると鮎師との絡みも出てくるので、ポイント争奪戦というもう一つの難関も加わるんだよね。(実はこれが一番やっかい)

まあフィールドの熟知度は彼らのが数枚上手だから、彼ら超えて竿を抜く事はできんにしても、勉強になることはたくさんある。ある意味胸を借りるつもりで。

 

 

さてさて前期は残念ながらチャンスを逃してしまったが、今期こそはいい魚に会えるかな??